BUSINESS 事業案内

KPE CARDBOARD KPE段ボール

「KPE段ボール」は、
撥水性・耐水性・保温性などの機能性を持ち、
環境に優しい素材で作られています。
プラスチックなどでできた包装容器の
代わりに使える「機能性段ボール」です。

POINT 特長

KPEとは、「Kami water Proof Eco-paper」の略で、環境に優しい耐水紙を意味しています。
水に弱い段ボ-ル(紙製品)と、羽毛の機能性に着目し、世界で最初に開発された「KPE段ボ-ル」です。
(特許番号3026975号)

今まで廃棄処分されていた羽毛を粉末化し、段ボールの表面(ライナー)にコーティングすることで、環境に配慮した素材での耐水性を実現しました。
※コーティング面は、段ボールの両面、片面など組み合わせ可能です。

KPE段ボールシートの構成(両面仕様)

  • 優れた撥水性・耐水性

    従来のワックスで撥水性をもたせた段ボールよりも、優れた撥水性を有しています。

  • 環境に優しい天然素材

    段ボールは水に弱いため、従来、リサイクルできないワックスやフィルムで耐水性をもたせていました。
    しかし、天然素材である羽毛はパルプと同様に生分解可能。一般の段ボールと同じようにリサイクルできます。

  • 保温性・保冷性

    塗工により空気の移動を抑える能力(バリヤ-性)を付与した事と、羽毛本来の持つ保温力のため、高い保温性・保冷性を有しています。

  • リサイクル可能

    一般段ボ-ルと一緒に故紙原料として回収できます。

  • 着氷防止効果

    着氷防止効果があるため、冷凍庫で他の段ボールと接着せずに作業がしやすく、外気温に触れても段ボールの強度が落ちにくくなっています。

KPE段ボールのチラシを見る(742KB)

USE KPE段ボールの用途

  1. 1.冷凍食品用ケース
  2. 2.海産物用ケース
  3. 3.青果物用ケース
  4. 4.廃棄物用ケース
  5. 5.宅配用ケース

FUNCTIONALITY KPE段ボールの機能性

01 撥水性

最高レベルの撥水性で水から守る。

撥水性は撥水度(JIS P-8137)で評価。
KPE・Kライナーの撥水性を従来のワックス系撥水ライナーと比較。
KPEは優れた撥水性を有しています。

ハス(レンコン)の葉は、微細な表面構造になっており、表面に付いた水は表面張力によって転がり落ちます。これをロータス効果と呼びますが、KPE段ボールの表面も同様の構造になっており最高レベルの撥水性を実現しました。

KPE・Kライナーの撥水性

JIS P8137(紙および板紙の撥水度試験方法)

撥水度は、R-0が最も弱く、R-10が最も強い
試料 撥水性
KPE・Kライナー R-10
ワックス系撥水ライナー R-7
一般Kライナー R-0

02 耐水性

水に強く、撥水性とも相まって
水の吸収を阻害。

羽毛を塗工することにより耐水性を付与できています。耐水性の向上は、優れた撥水性により紙層内部への水の吸収が阻害されるため、強度劣下が起こりにくくなっています。

KPE・Kライナーの耐水性

試料 耐水引張強度 (N) 縦
KPE・Kライナー180g/㎡ 19.8
一般Kライナー180g/㎡ 11.2

03 滑り性

滑りやすさはなく劣化しづらい。

KPE・Kライナ-の滑り角度は22°で市販の撥水ライナ-(滑り角度15°)で見られるような滑りやすさはなく、一般の段ボ-ルと同等です。

KPE・Kライナーの滑り性

試料 滑り角度(°)
KPE・Kライナー 22
一般Kライナー 22
撥水ライナー 15

04 離解性

リサイクル可能なレベル。

KPE・Kライナ-の離解性は一般Kライナ-に比べ劣ります。これは塗工面の撥水性の強さに起因していると思われます。しかし、現在故紙として再利用されている撥水ライナ-と大きな差は認められない事からリサイクル可能だと考えられます。

KPE・Kライナーの離解性

離解性の実験グラフ

05 保温性

一般段ボールよりも高い保温性。

KPE段ボールシート試作品の保温性試験を、一般段ボールシートと比較して、JISL 1096-1990(一般織物試験方法6.28.1保温性A法:恒温法)に準じて行いました。これによると、KPE段ボ-ルは一般段ボールと比べ保温効果がある事が分かりました。
塗工により空気の移動を抑える能力(バリヤ-性)を付与した事と、羽毛本来の持つ保温力のため、高い保温率を示したと考えられます。

KPE段ボールの保温性

離解性の実験グラフ

JISL 1096-1990
(一般織物試験方法6.28.1保温性A法:恒温法)

06 保冷性

箱の劣化は見られず、
氷残存率が最も高い。

KPE段ボール、一般段ボール、アルミ蒸着段ボールの保冷性について比較を行ないました。
・KPE段ボール: 内寸(255mm×200mm×155mm)
・一般段ボール: 内寸(255mm×200mm×155mm)
・アルミ蒸着段ボール: 内寸(255mm×200mm×155mm)

同一容積とした各段ボールに氷(PE袋包装)を入れ、クラフトテープにて封緘し、30℃、80%の条件下において試料(各段ボール)の内部温度及び460分後(約7.7時間)の氷重量を測定し、各段ボールの保冷性の効果を比較しました。

KPE段ボ-ルは一般段ボ-ル・アルミ蒸着段ボ-ルと比較して保冷性が優れています。

試験結果

段ボールの種類 氷重量
(試験前)
氷重量
(試験後)
氷残存率
(%)
KPE段ボール 2,469g 1,118g 45.3
一般段ボール 2,561g 724g 28.3
アルミ蒸着段ボール 2,262g 522g 23.1
試験後の状態 箱の劣化
KPE段ボール
劣化は
見られない
一般段ボール ×
劣化が
著しい
アルミ蒸着段ボール ×
劣化が
著しい

KPE段ボールの保冷効果実証実験

一般段ボール(K5段ボール)、KPE段ボール片面仕様(K5×KPE段ボール)、KPE段ボール両面仕様(KPE)でも保冷性の効果を比較しました。
この3仕様の段ボール箱の中に氷を詰め、箱の表面の温度変化を測定しました。
温度が低ければ、中の冷気が外に漏れだしており断熱効果が弱いということになり、高ければ断熱効果が高いと言えます。
実験結果を見る(PDF:322KB)

07 着氷防止効果

段ボール表面が凍っても簡単に剥がれ、表面は綺麗なまま。

一般段ボールとKPE段ボールの着氷時の表面比較を行いました。
一般段ボールとKPE段ボールを15cm×15cmに切り取り、端を1cm折り込んで水濡れを防ぎ、-20℃の状況下で試料に水20mlを入れ、8時間後、付着した氷を除去し、表面を目視で確認する事により判定を行いました。
その結果、KPE段ボールは非常に高い着氷防止効果があると分かりました。

試験結果

着氷除去前 着氷除去後 除去後の状態
KPE段ボールシート
表面の
変化なし
一般段ボールシート ×
表面が
破れる